筋肥大には動物性タンパク質という迷信

迷信、と大袈裟に書きましたが、結論、植物性タンパク質よりも動物性タンパク質の方が実践が現実的です。
そもそもの問題として、植物性タンパク質ではタンパク質摂取量を確保しにくいことと、必須アミノ酸が全て揃えられないことが問題でした。
近年では食材からタンパク質を抽出する技術が進歩したため、植物性タンパク質で上記の量的問題を解決する可能性が見えています。
では量的問題を解決できたとして、質的問題、つまり筋合成や筋肥大について影響はあるのかと言うのが次にくる疑問です。
植物性タンパク質の筋合成
まず食事を摂取して吸収されたタンパク質は、アミノ酸として血中に流れます。
この際の血液中の必須アミノ酸濃度については、植物性タンパク質<動物性タンパク質となりました。1
しかし実際の筋合成反応を調べたところ、若年層では植物性タンパク質と動物性タンパク質で差は出なかったと分かっています。
また高齢者においては、植物性<動物性となりました。
動物性タンパク質の方が、血中の必須アミノ酸濃度が高いからといって、筋合成に有利であるとは言えないかもしれません。
高齢者においては、動物性タンパク質に軍配が挙がりそうです。
植物性タンパク質の筋肥大
より具体的に、筋肥大では差が出るのか。
若年層のみを対象にした研究では、タンパク質の種類によって筋トレによる筋肥大には差がなさそうであることが分かっています。2
高齢者については明言できませんが、先の筋合成反応から考えるに、動物性タンパク質が優位になる可能性もあり得そうです。
まとめ
筋肉を作るためには必ずしも動物性タンパク質が有利であるとは言えないかもしれません。
ただしやはり自然食でのタンパク質確保という点では動物性タンパク質の方が容易ではあります。
植物性タンパク質での食事計画を立てていく場合は、サプリメントの使用も含めての検討が必要でしょう。