加圧シャツに効果はない

加圧というトレーニング方法があります。
血流制限をすることで筋環境をストレス状況下に置き、ハードなトレーニングを行っているのと同様の状況を作り出すというものです。
元々「KAATSU」で商標と特許が出されていたのですが、切れたタイミングで類似品や加圧の名を冠する商品が世の中に出回りました。
その中に、加圧シャツというものがあります。
加圧トレーニングの概要
加圧トレーニングは血流制限を適切に行うことで効果が得られます。
腕または脚の付け根にベルトを巻くことで、末端部に血流を溜め込むことが重要です。
これにより上肢または下肢には血流が滞留し、心臓に戻る血液量は減っていきます。
これを感知した心臓は、心拍数を上げることで血液循環を強化し、全身の血流を維持しようと努めます。
この状態での筋トレでは、筋内の代謝物質の循環が悪くなり、筋内は強いストレス環境にさらされます。
これを脳が感知し、ハードなトレーニングを実施していると判定されることで、低重量でのトレーニングながら同様のトレーニング効果を狙っていけるというものです。
加圧シャツの血流制限
加圧シャツも2種類あって、袖にベルトがついている専門のシャツと、全身にコンプレッションがかかるシャツがあります。
前者は適切に使用すれば一定の効果を得ることができますが、後者はほとんど意味がありません。
上記の通り、加圧の効果を得るには末端への血流滞留を起こして、筋内環境は悪化させる必要があります。
全身コンプレッションの加圧シャツでは、いずれも達成できません。
謳い文句として、常に加圧状態でトレーニング効果アップ、みたいなものがありますが、加圧をしたことがある方なら分かると思いますが、加圧状態はそんなに長く維持していられるほど楽なものではありません。
全身加圧シャツは、ちょっと圧が強めのコンプレッションウェアでしかないのです。
まとめ
加圧に限らず、一定の効果が見込めて有名になったものは、その名を冠した類似品や粗悪品が多く出回ります。
メカニズムの理解が浅く、初めから消費者を騙すことが狙いの商品も多く流通しているので、よく調べてから購入を検討しましょう。
最近の流行りは、「実証データあり」「研究で証明された」とかです。
中身を見てみると、そんなこと全然証明されていなかったりするので、注意しておきましょう。