筋トレと高地トレーニング

トップアスリートのトレーニング方法に、高地トレーニングや低酸素トレーニングといった方法があります。
これは持久性運動能力の向上には有効な方法となり得ますが、筋力強化や筋肥大に於いてはむしろマイナスとなる可能性があります。
高地トレーニング・低酸素トレーニングについて
酸素濃度の低い環境に身を置くことで、体の酸素運搬能力や酸素利用効率を向上させることで持久性能力を向上させることを目的としています。
酸素が薄い環境なので、体はその少ない酸素を効率的に利用するため、血中ヘモグロビン濃度を向上させるなどで順応しようとします。
この環境下で一定期間のトレーニングを重ねた後、平地に降りると、通常状態よりも高い酸素利用能力を発揮することでパフォーマンスが向上します。
筋トレとの相性は良くない
筋力強化や筋肥大を目的としてトレーニングをする場合、高地トレーニングや低酸素トレーニングはマイナスに働く可能性が高いです。
筋トレは基本的に無酸素運動ですので、酸素運搬能力がいかに向上しようが関係がありません。
有酸素性能力の向上自体は回復力の向上に繋がりますが、それでも効率は悪いと言えるでしょう。
高地環境下では酸素量自体は少ないので、筋疲労からの回復も遅くなると考えられます。
体を高地順化させて酸素運搬能力を向上させても、筋力強化や筋肥大にはメリットがなく、回復が遅くなるばかりでむしろマイナスに働くと考えられます。
まとめ
コロナ禍を経てマスク生活が余儀なくされていた頃、それをポジティブに解釈するためにマスクトレーニングを推奨する流れも一時期ありました。
しかしトレーニングとは目的に合わせて実施することに意味があります。
なんだか効果が高そうだから、と無闇に取り入れると思わぬデメリットを受けてしまうこともあるので注意しましょう。