速く走るための筋肉とは?

Q. 速く走るために、どの筋肉が関係しているのか?

長年の疑問を研究しました。1
短距離走選手23名に、1年間、足を速くするための日常的なトレーニングを継続してもらいました。
その前後での、100m走のパフォーマンスや、体幹&下肢 14筋の筋量を測定しました。
その結果、100m走のタイムは11.69 → 11.49 まで短縮しました。
また14筋のうち6筋が肥大をしていました。
さらに肥大した筋肉の中でも、ハムストリングスに分類される半腱様筋が、100m走の50-60m区間の走速度増加との関係があることが示されました。
この半腱様筋という筋肉は、下肢の筋肉の中でも特に素早く収縮して力を生み出すことができるという特徴を持っています。
この研究結果を踏まえても、足を速くするためには半腱様筋が重要な筋肉である可能性が高いと考えられます。
逆に走パフォーマンスと関係のない筋肉を大きくすることは体重の増加につながり、走速度の低下を引き起こしてしまう可能性があります。
自身の競技にとってどの筋肉が関連しているのかを知ることは、トレーニングプログラムを考えていくうえで非常に重要になってきます。
- Kawama, R., Takahashi, K., Tozawa, H., Obata, T., Fujii, N., Arai, A., … & Wakahara, T. (2024). Muscle morphological changes and enhanced sprint running performance: A 1‐year observational study of well‐trained sprinters. European Journal of Sport Science. ↩︎