握り方の種類・名称

バーベルやダンベル、マシンなどを操作する際、当然ですがグリップを握ります。
グリップの握り方もそれぞれ特徴やメリットがあります。
握り方について、握りの向きと親指の位置でそれぞれ解説します。
握りの向き
オーバーグリップ

順手での握りで、最もオーソドックスな握り方です。
上から被せるようにグリップを握るため、自然な出力が可能です。
多くの種目がオーバーグリップでの動作になります。
アンダーグリップ

逆手での握りを指します。
アームカールなど動作の特性上、逆手で動作した方が合理的な場合などに使用します。
前腕が回外するので、連動して肩関節外旋がかかりやすく、肩甲骨が適切な位置に入りやすくなります。
オルタネイトグリップ

片手は順手、片手は逆手で握る方法です。
主にデッドリフトで使用され、ねじれ効果でバーベルから手が離れにくくなります。
非常に高重量で行われるデッドリフトでは、体の筋力よりも先に握力が維持できなくなることが多く、そのためオルタネイトグリップやフックグリップが採用されます。
パワーリフティング競技ではリストストラップやパワーグリップが使用できませんので、素手でバーベルを握り続ける必要があります。
握り方が左右非対称であることから、筋発達や体の整合性には良くないと考えられており、パワーリフディング競技でもない限り、握力サポートのギアを利用して順手で実施した方が良いです。
パラレルグリップ

縦持ちでグリップを握る方法です。
ヘックスバーデッドリフトや、ラットプルダウンアタッチメントなどで使用します。
縦持ちでは肩甲骨の位置を最も自然に取ることができ、操作性や怪我の予防という点に優れています。
パラレルグリップが採用できるかは、機材などトレーニング環境に依存します。
親指の位置
サムアラウンドグリップ

親指を巻いてしっかりと握る一般的な握り方です。
自然かつ強い握り込みが可能となります。
親指側に力を入れたい種目などでは優先的に採用されます。
サムレスグリップ

親指を抜いて握る方法です。
4本指と手の腹を使ってグリップを保持します。
サムアラウンドグリップよりも保持力は低いですが、あえて親指を抜くことで、小指・薬指側に優先的に力がかけやすくなります。
背中の種目であったり、手首や肩関節が硬くてサムアラウンドグリップでは保持しにくい種目などで採用されます。
サムアップグリップ

親指をバーベルなどに沿わせる握り方です。
親指に沿ってパワーライン(力をかけやすいバーベルの保持位置)が形成されます。
ベンチプレスやバーベルショルダープレスなどのバーベルプレス系種目で採用されます。
フックグリップ

親指を中指・薬指で巻き込んで握る方法です。
親指をバーベルに引っ掛けて、それをカバーするように握るので、非常に高い保持力を発揮しますが、親指が非常に痛いです。
パワーリフティング競技ではこちらを採用する選手もいます。
ウェイトリフティング(重量挙げ)ではフックグリップが必須になります。
痛みに慣れるまで練習が必要であり、上記の2競技に関わらないのであれば、握力サポートギアを使用することをオススメします。
ボディメイクに限らず、スポーツ選手のクイックリフトも、目的に沿うのであればフックグリップである必要はありません。
まとめ
種目にあったやり方はありますが、優先するべきは「やり易さ」です。
「この握り方が良い」とされていても、体の状態によっては無理がかかっていて怪我の原因になることもあります。
状況を見て上手に使い分けていきましょう。