片手、片足の方が効果的? 両側性機能低下

片手・片足の方が、筋出力自体は大きくなるという法則があります。
トレーニングで両手/両足で最大出力した場合と、片手/片足ずつで最大出力した場合の左右の合計値では、後者の片方ずつの方が大きくなります。
左右の手足の筋力発揮では、1+1 = 2 とならず、<2となるのです。
反応速度についても同様に低下し、両手で反応するよりも片手で反応する方が速く反応できます。
これを両側性機能低下と言います。1
片手・片足が効果的な場合
筋力アップや筋肥大では、最大筋発揮が期待できる片手・片足でのトレーニングは効果的となるでしょう。
片手・片足の方が、もう一方を頼ることができず、また体幹部をはじめとした他の部位との連動も難しいくなるため、使用している筋肉はより頑張ろうとしてくれます。
トレーニングが苦手な部位を、あえて片手・片足で行うことで、疲労困憊までちゃんと追い込めるようになることもあります。
またスポーツ選手などは片手・片足のシチュエーションも多く想定されることから、その状況に特異的なトレーニングとして組み込むことも効果的です。
両手・両足が効果的な場合
両手・両足でのトレーニングの方が、当然安定感はあります。
体幹部をはじめとした多くの部位を同時に利用することができるので、使用できる重量は大きくなります。
片手・片足に比べて、対象部位への負荷が分散してしまっているとも取れますが、実際にはその分全体で大きな負荷が扱えています。
筋力発揮の面では片手・片足の方が大きいのですが、実際に扱える重量は両手・両足の方が大きくなります。
またトレーニングの時間を半分に短縮することができるのも利点です。
スポーツに於いても、身体全体を利用しての連動性向上を狙うなどにも有利です。
まとめ
例えばヒップアップ系のトレーニングを考える場合、お尻の筋肉の力発揮について検証することになります。
ブルガリアンスクワット(片足)とルーマニアンデッドリフト(両足)を比較した場合、お尻の筋活動についてはブルガリアンスクワット(片足)で高くなります。
しかし実際に使用できる重要は、ブルガリアンスクワットの左右合計よりもルーマニアンデッドリフトの方が高くなるでしょう。
両側性機能低下の理屈を理解して、苦手な部位や、特異的に行いたい動作など、目的に合わせて戦略的に種目選択していくといいでしょう。