誰もがパーソナルトレーナーを名乗れるこの時代

誰もがパーソナルトレーナーを名乗れるこの時代
トレーナー

トレーナーコラム第2弾、テーマは「パーソナルトレーナー」です。

先日、NSCAジャパンがウェブメディアとしてNSCA PARKを設立しました。

4月の新しいことを始めやすい時期とあって、「クライアントの目標を安全に達成するために、信頼できるパーソナルトレーナーの選び方とは(2024.04.08)」という記事が掲載されていました。

我々は、「今の時代、誰でもパーソナルトレーナーって名乗れるよね」という問題提起からジムを始めてみているのですが、言いたいことは冒頭で大体言ってくれています。

NSCA(National Strength and Conditioning Association)では、パーソナルトレーナーとは「クライアント個人の健康と体力を向上させるという最重要目標のために、クライアントに合った個別のアプローチでトレーニングをサポートする健康と体力の専門家」としています。しかし、カイロプラクティックケアや理学療法、アスレティックトレーニングなど他のヘルスケアのように、専門的な教育を受けることや、資格や免許を所持することを課すことを制度化していません。ストレングス&コンディショニング(S&C)専門職を監視するための国家試験や制度はないのです。極論を言えば、誰でも今日から「パーソナルトレーナーです」と名乗ってしまえるのが現状です。

クライアントの目標を安全に達成するために、信頼できるパーソナルトレーナーの選び方とは(2024.04.08)

以前に消費者庁からの発表もあった通り、パーソナルトレーニングによる事故なども増えてきています。

それによって有資格でないとNGになるのでは、などの憶測もありますが、「整体」や「もみほぐし」が規制されていないところを見ると、そうはならんのではとも思います。
規制されたところで、何か別の呼称でうまいことやるでしょう。

せっかくなので共有しておきたい、「クライアント視点からのパーソナルトレーナーのチェックポイント」をご紹介しましょう。

チェックポイント

  • 適切に教育され、資格認定を受けているか
  • 適切な経験を持っているか
  • クライアントと相性が良いか
  • 実は「外見」も重要
  • 必ず面接する
  • 目標設定を適切にサポートできるか
  • トレーニングをカスタマイズできるか

詳細はぜひNSCA PARKにて本文をご覧ください。

以下、与太話

「プロ」も「トレーナー」も色々

「トレーナー」と一口に言っても、結構職域は広いです。

ボディビル/ボディメイク、ダイエット、S&C、ファンクショナル、ヨガ、エアロビクス、アクアビクス…
スポーツチームに帯同して、試合中の選手のケアを行う方も「トレーナー」と呼称されたりします。

上記の例だけでも全員やる仕事が違うのですが、全て「トレーナー」です。

広告の謳い文句で「プロトレーナー在籍」とよく目にしますが、どの分野のプロなのかが結構重要です。
何かしらのプロではあるかもしれないですが、自分が求めているプロかは別の話です。

トレーナーとのマッチングに失敗すると、割を喰うのはクライアント側です。
シェイプアップしたかったのにバルクアップさせられた、バルクアップしたかったのに理学療法士が担当に就いた、試合中のケアを依頼したのにボディビルダーだった、とかだったら最悪ですね。

そしてどの分野でもスキルにはバラツキがあるので、担当トレーナーとのマッチングをソシャゲに倣って「トレーナーガチャ」と揶揄されたりします。
サービス内容が手広い総合型フィットネスや、人手が足りていない24H型ジムでは、高スキルなトレーナーの抽選率は下がりがちです。

明確な狙いがあるなら、専門的なジムを見つけることが良いリスクヘッジになるでしょう。

トレーナー

私の職域はボディメイクとS&Cです。

「パーソナル」トレーナー

パーソナルトレーナーは何が専門かとなると、NSCA定義の通り「個人の健康と体力向上の専門家」になります。

目的が結構広い範囲なので、それに対しての方法も多様になります。
自身にとって最も適切な方法を提案してくれるトレーナーとマッチングできるとベストです。

ビジネス上の弊害があるのが、チェーン店型のパーソナルジムです。

ビジネスを拡大していくにあたっては、人を雇って規模を大きくしていく都合上、仕組み化・マニュアル化が必須になります。
インストールすれば一定の適正で誰でも仕事ができる状態にしておかなければなりません。
企業としてトレーナーの品質保全は重要なブランディング要素です。

そうすると内容が画一的になりがちです。
多分同じこと全員にやってるんだろうな、といった内容になることも少なくありません。

同じ理屈で、属人化させないことで最近広まっているのが、ピラティスです。
ピラティスマシンの登場で、一気に拡大しやすいビジネスになりました。

パーソナルトレーニングは「個別化」されていなければ「パーソナル」とは呼べません。

ある種の分野に飛び抜けたスキルがある、メチャクチャに属人化した個人パーソナルとかの方が、ちゃんと個別化してくれるかもしれません。

フィットネスクラブとパーソナルジム

業界の構造の話ですが、日本のフィットネス人口は3%程度と言われています。
フィットネスクラブの継続率が結構低くて、1年継続は4%未満になることも。

色々あるんですが、今トレーナーになる人の属性は、「学生時代から体育やスポーツといった運動が得意だった人」が多くを占めます。
必ずどこの学校にもいたと思うんですが、中には運動できない人の気持ちが分からない手合いもいます。

対して体に問題を抱えてフィットネスに足を運ぶ人は、必ずしも運動が得意ではありません。
学校体育をはじめとして、運動全般を苦手としてきた人も多いです。

この両者をフィットネスクラブ内で自然淘汰させると、残るのは「運動が好きだった人々」だけになります。

パーソナルトレーナーも、運動が得意だった人や何か結果を残せた人が少なくありません。
業界の構図上、パーソナルトレーナーが救うべきなのは、多分その「運動優生社会」から淘汰された人々です。

誰もがパーソナルトレーナーを名乗れるこの時代

私のトレーナーキャリアが始まった2017年、NSCAフォーラムで岡田隆教授の講話を聞きました。

リオ五輪の話やボディビルダーの合戸さんとの話など、いろいろ面白かったのですが、ずっと印象に残っているのはパーソナルトレーナーの話でした。

スポーツやボディビルに優れて肉体の訴求力が高いトレーナーと、学歴や経験に長けて知識の訴求力が高いトレーナーがいる。
しかし両方が優れているという人はそんなに多くない。
肉体でも知識でも訴求力の高いパーソナルトレーナーを目指してほしい。

そんな内容の話でした。

あれから7年トレーナーをしていますが、どちらかだけのトレーナーは確かに多いです。
そして両方のトレーナーは確かに少ないです。

多分どの業界でもそうなのかなと思っていますが、現実では二流に合うことさえ難しいです。
何なら三流に出会えればラッキーなくらいで、三流にも満たない専門家が世の中には沢山います。
一流などほぼ出会えることはないでしょう。

せめて二流には食い込めるよう、我々も日々研鑽です。

草々


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