「使える筋肉」が欲しい人

使える筋肉をつけたいんです、と相談されることが過去何度もありました。
では「使える筋肉」とは何でしょうか?
どの局面で使いたいのか?
一番大切なのは、どの局面で使える筋肉にしたいのかです。
使える筋肉論を語る方は、ここが非常に曖昧です。
サッカーで使えるのか、水泳で使えるのか、格闘技で使えるのか。
それぞれの局面で要求される能力は異なります。
何に使うかが明確でない状態で、使える筋肉が欲しいですとか言われましても、ご満足いく結果へは導けないかと思います。
Ex.どちらも筋肉質な場合
例えば水泳選手と器械体操選手を見比べてみましょう。
いずれも非常に筋肉質であることが分かると思います。
では、水泳選手を吊り輪に、器械体操選手をプールに連れていき、実際に競技をしてもらいましょう。
双方とも、大した成績は残せないでしょう。
自分の得意とするフィールド外で活躍できない彼らは、「使えない筋肉」でしょうか?
「使える筋肉」の本心
目的がある場合、闇雲に筋肥大させることはオススメしません。
スポーツ競技において不要な筋肉というのが、それぞれの競技別で確かに存在します。
ただ使える筋肉を要求してくる方は、大抵目的が不明瞭です。
この場合、漠然とした機能美への憧れがありながらも、ボディビル的な過度な発達は避けたいという感じです。
では実際に機能性が必要なのか?と問われると、そこまで要求値は高くないことが多いです。
クロスフィットという選択肢
機能的でいうなら、ファンクショナルトレーニングを主体としたクロスフィットもオススメです。
汎用的な機能性を向上できる可能性は高いといえます。
本当に機能性が必要な場合はこちらもありですが、しかし本心では機能性への要求がそんなに高くなかったり、目的の競技が決まっている場合であれば、クロスフィットは返って遠回りになるでしょう。
目的が明確である場合
この場合には、使える筋肉/使えない筋肉が比較的ハッキリします。
その競技のおいて筋発達自体が有利なのか、どの部位の筋肉が高いパフォーマンス発揮を支持しているのか、逆にどこの筋肉は付けないほうがいいのか。
関節角度はどの角度で動くことが多いのか、要求される筋肉は速筋か遅筋か、時期的には筋肥大かパワー強化か。
要求が明確に分かるため、どういう体づくりが必要かがハッキリします。
この場合は「使える筋肉」をちゃんと作っていけるでしょう。
まとめ
「使える筋肉」というワードがきた場合は、頭に「何に」と付けて問いかけるようにしましょう。
極端な話、目的が無いのであれば、それは全て「使えない筋肉」ともいえます。
逆にボディビルダーはステージで魅せることが目的なので、それはそれで「使えている」とも言えるのです。
ちなみに初心者が機能美を求めて独学でファンクショナルトレーニングをしようとするのは、まあまあな茨の道ですので、あまりおすすめはいたしません。