オーバートレーニングはある

オーバートレーニングはある

トップボディビルダーたちの発言から、「オーバートレーニングなどない」と信じている人がいますが、オーバートレーニングは実在します

ビルダーたちの発言も、あくまで「ないと思って必死にやれ」「逃げ口実を作るな」という鼓舞の意味合いであり、実在自体は認めています。

オーバートレーニングは何がマズイのか?

オーバートレーニング症候群(OTS)に至ると、慢性的なパフォーマンス低下が発生する他、睡眠障害や倦怠感、食欲の低下など生活の質(QOL)そのものにもかなりの悪影響を起こします。

またオーバートレーニング症候群まで至ってしまうと、回復までに数ヶ月かかることもあり、トレーニング計画の観点からも大幅なロスを生んでしまうのです。

何よりこの状況に陥った本人が、精神的に長期間苦しむことになります。

オーバートレーニングの兆候

オーバートレーニングのマーカー

  • 説明のつかないアンダーパフォーマンス
  • 継続的な疲労
  • トレーニング中の努力感の増加
  • 不規則な睡眠パターン
  • 食欲の低下

オーバートレーニングでは上記のような兆候が見られるようになります。

筋肉がどうこうというよりも、脳を含めた中枢神経系の疲労状態なので、回復にも時間がかかってしまいます。

長期間の運動習慣がある方でパフォーマンス向上を目指している方は、上記のマーカーを機にするようにしてください。

オーバートレーニングに至るまで

オーバートレーニングは疲労の蓄積で発生しますが、すぐに症状が出るわけではありません。

オーバートレーニング症候群に至るまでには2つの段階があります。

機能的オーバーリーチング(FOR)
非機能的オーバーリーチング(NFOR)

オーバートレーニングに至るまで
ESSENTIALS of STRENGTH TRAINING and CONDITIONING, 2018

機能的オーバーリーチング(FOR)は、むしろパフォーマンス向上に必要となることがある局面です。

この状況をあえて作り出し、その後神経系の回復を図っていくことで定めたタイミングでパフォーマンスピークを顕現させることがピーキングという技術になります。

本番の1ヶ月前にわざとハードな事をして調子を落としていく、といったイメージです。

FORを計画的に発生させているのであれば問題はありません。

FOR状態からさらに練習量を増やしたりして、トレーニング負荷が回復力を上回り続けた場合に起こるのが非機能的オーバーリーチング(NFOR)です。

NFORではパフォーマンスが低下状態に入ることに加えて、オーバートレーニング症候群の兆候のいくつかが軽度に発生したりします。

「練習量も増やして努力しているのに成果が上がらないな……」
「もっと頑張らなくては……!」

といった発想からNFORに陥る若手選手もいます。

競技選手に多く、精神的な気負いすぎが根本的な原因なので、指導者が監督し止めに入るべきタイミングです。

この段階であれば数週間の休養で回復できる可能性があります。

NFOR状態に至ってなおも、もっと頑張れという指導者に当たってしまうと、オーバートレーニング症候群まっしぐらです。

ボディメイクでは?

体づくりの筋トレでオーバートレーニング症候群まで至ることは多くありませんが、無いわけではありません。

オーバートレーニングは絶対的な練習量の話ではなく、本人のレベルと練習負荷とによる相対的な話なのです。

つまり初心者レベルの人が、上級者と同じような練習量をやった場合には、オーバートレーニングに至る可能性があります。

ほとんどの場合は、初心者はそんな状態になるまでトレーニングを積むことはできません。

なので発生率は低いのですが、例えば指導者がそういう追い込み主義の人だった場合に発生することがあります。

まとめ

自分のレベルに合った練習負荷を適切にかけて、しっかりと疲労をコントロールして回復させることが重要です。

筋肉の回復には大筋群でも72時間程度あれば良いとされていますが、中枢神経系も疲労しています。

自身のコンディションは注意深く観察するようにしましょう。


ロゴ

【完全個室型】【烏丸御池】
科学特化型パーソナルトレーニングジム Eclipse

〒604-0854
京都府京都市中京区二条通東洞院西入仁王門町3
千坂御所南ビル 2F


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA