陸上部に多い? 腰に悪そうなスクワット

陸上部に多い? 腰に悪そうなスクワット

過去の記事でも書いている通り、スクワットはKING OF EXERCISEと言われる優れたトレーニング方法の一つです。

当然アスリートも多く実践していますが、なかでも陸上部には妙なフォームの癖がありました
しかも共通した傾向にあったので、ご紹介します。

端的に言えば、腰に悪そうです。

腰に悪そうなスクワット

どんなスクワットかといえば、この画像のようなスクワットです。

以前、NG例としてスクワットの記事で解説しました。

NGなスクワット

開業前の試運転でご協力いただいたモニターの方や、地元の大学陸上部などのスクワットで、このフォームを散見しました。

他の部活では分からないのですが、少なくとも以前見ていた高校野球部ではあまり見ないエラーでした。

なぜそうなっているのか

陸上競技

陸上競技、とりわけスプリントが必要な種目(短距離や跳躍)ではヒップヒンジによる爆発的な力発揮が必要となります。

よってヒップヒンジのみを意識したスクワットが普及したのではないかと予想しています。
腹圧の掛け方やバーベルの担ぎなどが分からない状態でヒップヒンジのみに焦点を当てると、腰で代償をとてしまうこともあります。

また陸上競技のスプリントでは深屈曲位での力発揮をする局面が少なく、ハーフスクワットやクォータスクワットのような浅めのスクワットが推奨されることが多いです。

もちろんそれも重要なのですが、目的によってはフルスクワットを選択するべき場合もあります。
ミドルレンジの力発揮は、エンドレンジの強化で向上しますから。

スクワットの深さは、「何のためにやるのか」という目的設定が重要です。

膝を守るため、と言いながら、フルスクワットよりも膝に負担のかかるハーフスクワットを選択している矛盾に、指導者は気づいていないことも多々あります。

あとは昔ながらのキューイング、「体を真っ直ぐに」「椅子に座るように」「つま先が膝より出ないように」が変な解釈をされている可能性が高いです。

体を真っ直ぐにするのは、腹圧を入れて頭からお尻までの軸を残すことです。
地面に対して体を真っ直ぐにすることではありません。

椅子に座るようにも、ヒップヒンジを意識させるために生まれたキューイングでしょうが。
誰も椅子に座る時、そんな腰の反り方はしていないでしょう。

つま先が膝より出ないように、は股関節屈曲を意識させるためだと思います。

いずれも狙いは分かるのですが、代償動作へのカバーができていないから、結果腰に悪いスクワットをするハメになります。

ヒップヒンジは他の種目でもいい

前提として、どのバーベル種目も腹圧が入った状態で、しっかり体幹を固めて軸を残しましょう。

その上で「ヒップヒンジを強化する」という点では、何もスクワットをわざわざ選択する必要はないです。

ヒップヒンジにはルーマニアンデッドリフトやヒップスラスト、グッドモーニングなどの種目もあります。

とりわけルーマニアンデッドリフトなどは、スクワットでは強化されにくいハムストリングも強化できます。
ハムストリングもスプリントに重要な筋肉です。

まとめ

思えば、陸上競技でも投擲競技者(やり投げ以外)は上手にスクワットをしていたように思います。

遠心力が発生したり、重量物を飛ばす競技では、軸ができないのはスプリント以上に致命的ですから。

スポーツ競技者がウェイトトレーニングを取り入れることには大いに賛成しています。
むしろ積極的にやっていくべきことでもあります。

ただ競技特異性と種目選択は、目的意識を持ってやっていくべきでしょう。

これは指導者の課題ではあるのですが、現状アスリートが指導者に恵まれるかは運によるところが多いです。

競技者自身がしっかりと考えてトレーニングをしていくべきでしょう。


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