睡眠時間と疾病リスク

睡眠時間と疾病リスク

日本人は睡眠時間が世界一短いということは有名な話です。

具体的にはどの程度かというと、次のようなグラフがあります。1

Sci Adv. 2016

縦軸は睡眠時間、Aの横軸は起床時間、Bの横軸は就寝時間です。

日本の平均時間は約7.5時間と、シンガポールやブラジルと並んで世界最下位クラスです。

労働環境が発展しきっていない途上国であればともかく、GDP世界4位をいく先進国とは思えないほどの短さです。

他の先進各国は8時間近くをマークしています。

また別の研究では66%の日本人が平日は7時間未満の睡眠時間であると明らかになっています。2

2つの報告を合わせると、日本人は平日に睡眠時間を削り、休日に寝溜めすることで睡眠時間の平均値をかろうじて最下位レベルに抑えている、ということになります。

つまり平日は名実ともにぶっちぎりの世界最下位ということでしょう。

睡眠時間と疾病リスク

睡眠不足は日中のパフォーマンス低下の原因となります。

それ以外にも、長期的には死亡リスクとも関係しています。

心血管疾患、癌、全死因死亡リスクともに、一般人では7〜8時間睡眠が最もリスクが低いことが分かっています。3

ただし長時間睡眠も問題があり、9時間を超える睡眠は死亡率や疾患率を大幅に増加させる可能性も示唆されています。

あくまで一般人の話であり、アスリートや高齢者については別の記事で解説しています。

一般的には7〜9時間の睡眠を日常的に取れていれば、リスク回避はある程度できると考えていいでしょう。

平日の不足分を休日で補うような平均値の確保はやめておきましょう。


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  1. OLIVIA J. WALCH, AMY COCHRAN, DANIEL B. FORGER. A global quantification of “normal” sleep schedules using smartphone data. Sci Adv. 2016 ↩︎
  2. National Sleep Foundation 2013 ↩︎
  3. Fengran Tao, Zhi Cao, Yunwen Jiang, Na Fan, Fusheng Xu, Hongxi Yang, Shu Li, Yuan Zhang, Xinyu Zhang, Li Sun, Yaogang Wang.Associations of sleep duration and quality with incident cardiovascular disease, cancer, and mortality: a prospective cohort study of 407,500 UK biobank participants.Sleep Med. 2021 ↩︎

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