ダイエットによる不眠

大会を控えたコンテスターに多い症状の一つに、眠れなくなるというのがあります。
これは大会とは関係なく、減量が進んだ人であれば誰でも起こる現象です。
入眠速度も遅くなりますが、寝付けても途中で何度か目が覚めたりするようになります。
なぜ眠れなくなってしまうのか?
コルチゾールが目覚めさせている
結論から言うと、コルチゾールというホルモンが分泌されることが入眠や深い眠りを妨げている一因です。
ボディメイクをする方なら、「敵」として認識しているホルモンだと思います。
コルチゾールは、ストレスホルモンと言われています。
心身にストレスを感じた時、過剰な空腹や過度な運動の際などに分泌されます。
コルチゾールが分泌されると筋分解が進むと言われており、筋肥大したいボディビルダーたちには大敵です。
さて、このコルチゾールには毎日大きな役割があります。
それは、目を覚まさせる、という役割です。
人間は起床直前に、体内のコルチゾールレベルを上昇させ、体に意図的なストレスを与えることで起床しています。
では減量状態の心身の疲労で、コルチゾールが寝る前でも分泌されていたらどうなるか?
起床時や覚醒状態と似たようなホルモン状況になりますので、当然眠れなくなります。
しかもそのストレス状態(栄養不足)は睡眠では解消されないので、ホルモン分泌は止まらず、睡眠は浅くなります。
自律神経の不調
もう一つ考えられる原因は、自律神経の不調です。
自律神経は大まかに、交感神経と副交感神経に分けられます。
交感神経:体をアクティベートさせる
副交感神経:体をリラックスさせる
通常時では夜になるにつれて、日没や疲労から次第に副交感神経優位へと切り替わることで、体は休息モードに移行していきます。
しかしコンテスターの場合、減量に加えて高強度のトレーニングを行なっていることがほとんどで、トレーニング時には交感神経が優位になっています。
この減量&トレーニングによる交感神経活性が落ち着かず、寝る前になっても副交感神経に切り替わってくれない、ずっと体が覚醒状態にあるといった具合になります。
対策
基本的には良い睡眠を取る方法を全てこなしていきましょう。
と言うのも、減量末期のコンテスターであれば、ストレッサー(空腹)の解消はできないでしょうし、トレーニングも休むわけにはいかないことが多いでしょう。
夜の炭水化物とどう付き合うかや、トレーニングの時間帯をどうするのか、いかに心身のストレスを抱えないようにするかが重要になります。
ちゃんと眠れないとリカバリーも遅く、寝れなかったこと自体がストレスとなり減量も滞ります。
一般的な範囲でのダイエットをする方は、少し制限の手綱を緩めてあげることがポイントになるでしょう。