世界王者の筋肥大率は1.5〜2倍!?

デッドリフトの世界チャンピオンはどんな筋肉を持っているのか……?
最もポピュラーな筋トレ種目のひとつ、デッドリフト。
世界チャンピオンは何と約500kgも挙げることができます。


参考までに、私のデッドリフトは約100kgです。

7年以上筋トレしている私でも190kgです。
同じ人間なのに、なぜここまでの差が生まれてしまうのでしょうか?
その理由に、筋肉の大きさから迫った研究です。1
この研究では、MRIを用いて、下肢22筋の大きさを測定しました。
その結果、下肢の筋肉全体の平均的な体積は、筋力トレーニングをしていない一般的な人に対して、世界チャンピオンは約96%も大きいということが分かりました。
特に縫工筋や薄筋、ハムストリングスの半腱様筋では140%~202%もの差があることが分かりました。
上記のような筋肉は、もともと人体の中でも比較的小さめな筋肉であり、そういった筋肉の方が肥大の倍率は高い傾向にあるという結果になっています。
我々の研究領域では、約8週間~12週間のトレーニングで、筋の肥大率は約10~30%ほどであることが多いです。
この結果から、世界チャンピオンはメチャクチャに大きな筋肉を持っているということが分かり、この筋肉の差が筋力の大きな差に繋がっていると考えられます。
もちろん筋肥大には遺伝的な影響が大きく関わりますが、もしかするとトレーニングを数年単位で継続することによって、筋肉は今の1.5倍、さらには2倍以上も大きくなるかもしれません。

筋肉の可能性は無限大ですね。
- Balshaw TG, Massey GJ, Miller R, McDermott EJ, Maden-Wilkinson TM, Folland JP. Muscle and tendon morphology of a world strongman and deadlift champion. J Appl Physiol (1985). 2024 Aug 15. doi: 10.1152/japplphysiol.00342.2024. Epub ahead of print. PMID: 39143902. ↩︎