運動が誘発する貧血

運動時によく起こりうる不調の一つに貧血があります。
貧血対策として、よく鉄分補給などを実施されますが、実は鉄欠乏だけが貧血の理由ではありません。
というのも、ヘム鉄などで鉄分補給をしっかりと行っていたにも関わらず、貧血になってしまったということは少ないないのです。
原因は主に3つです。
鉄吸収を阻害するペプシジン
体内で分泌されるペプシジンというホルモンが、鉄の吸収を阻害している可能性が示唆されています。
ペプシジンの特徴
- 長時間運動後3時間で増加
- 1日2回運動すると終日上昇
- 何もしなくても朝から夜にかけて上昇する
- 抑制物質が見つかっていない
- 炭水化物制限でも増加する
このような特性があり、むしろなぜ分泌されているのかもよく分かっていないようです。
一説にはミネラル分の過剰による中毒を防ぐためとも言われていますが。
ペプシジンが作用すると鉄吸収を阻害してしまう可能性があります。
よって鉄分補給は朝(運動前)が良いのではないかとの仮説が提唱されています。
ヘモグロビンの破壊
ジョギング・ランニングなどでは膝に体重の3倍の負荷がかかると言われていますが、もちろん踵にも衝撃が加わります。
踵の接地衝撃で血中のヘモグロビンが破裂してしまい、鉄欠乏になると言われています。
もちろん、ちょっと走ったくらいでは大したことはないのですが、長時間走っていれば、それなりにヘモグロビンは破裂していると考えられます。
運動による小腸損傷
運動時には骨格筋に血流が必要となるため、消化器から血流を拝借してくることになります。
長時間運動をすると小腸などの消化器に長時間血流不足状態が発生し、軽めの炎症状態を引き起こすとされています。
小腸損傷が亢進された結果、食欲と吸収力が低下してしまいます。
まとめ
これらのことから分かるのが、長時間かかる持久性運動ほど貧血には気をつけたほうが良いということです。
特に高温下であれば、小腸損傷などはさらに亢進されますので、くれぐれも気をつけて行うようにしましょう。