左右差は是正すべきか

なんとなしに「筋肉の左右差はない方が良い」と思っている方が多いのではないでしょうか。
なぜでしょうか。
怪我の原因になる? パフォーマンスに影響する?
果たしてそうと言えるのか、考察していきましょう。
パフォーマンスに影響するのか?
ほとんどのスポーツの動きは左右非対称です。
利き腕や利き足があり、動作そのものもそれに合わせた動きをします。
結果として筋肉のつき方や筋力には左右差が生まれます。
例えば野球選手の広背筋は投球する腕側の方が発達しています。
バッティングでピッチャー側に向ける体幹部の方が反対側よりも発達するようになります。
ウサイン・ボルト選手でさえ、最大速度で走った際の足幅には左右で約30cmの差が生じます。


誰かボルト選手に、左右差を是正しましょう、と言いますか?
ほとんどのトップアスリートの筋発達は左右非対称です。
パフォーマンスにはさほど影響しないと考えられます。
左右差は怪我の原因になるのか?
実のところアンバランスが怪我の原因になったというデータはほとんどありません。
むしろ筋内の筋バランスであるインバランスが原因なことはあるようです。
しかしこれは左右アンバランスに比べて判断が難しく、筋内のバランスと言ってもその基準を設けにくいのです。
左右差が是正されることはあるのか?
向上させる方向では、筋力・筋量共に難しいと言えるでしょう。
是正可能性があるとすれば、強い方を弱らせて、弱い方に合わせるという下方修正法になります。
全然お勧めしません。
しかし筋アライメントは狂う
左右差の発生で問題があるとすれば、筋アライメントが狂うことです。
分かりやすいのは骨盤の高さが左右で異なる状況です。
これは中臀筋、内転筋、大腿筋膜張筋などの腸骨周辺筋群が張力バランスを崩している状況になります。
腰痛の誘発要因でもあるので、ここはある程度是正していった方がいい場所です。
運動初心者などであれば、筋力強化による左右是正も可能でしょう。
まとめ
ほとんどの場合、左右差は気にする必要がありません。
内臓の配置がそもそも左右非対称ですので、綺麗に左右対称をとれることなどまず難しいでしょう。
ただしコンテスト系の選手はシンメトリーを見られるので、結構重要な問題だと思います。
正直是正はかなり難しいので、ポージングで上手く演出するのが良策かと思います。