イメージトレーニングの活用

意識性の原理でも出てきましたが、人間が持つイメージというのはトレーニングの結果にも影響します。
近年の研究では、筋肉に意識を向けた方がトレーニング効果が高かったという研究も発表されています。
しかしその意識の向け方が、いつでもどんな時でもパフォーマンスに良いというわけではありません。
イメージトレーニングの視点と方向について、向き不向きを説明していきます。
イメージの視点
イメージトレーニングの視点は主に2種類に分けられます。
主観的イメージと客観的イメージです。
それぞれ見ていきましょう。

主観的イメージ
自分自身がプレイヤーとしての目線に立った状態でのイメージです。
脳内で作り出すイメージ映像が一人称視点(First Person View)になります。
スキル獲得や技術向上には主観的イメージでのイメトレがオススメです。
日々の練習などで取り入れていきましょう。
客観的イメージ
第三者の視点から、自分自身の姿を見るイメージです。
大会で優勝している姿、プレーで活躍している姿などを客観的に想像します。
競技パフォーマンスの向上や試合の成績を上げるにはこちらのイメトレがオススメです。
引き寄せの法則における潜在意識の利用と似ています。
試合前などに取り入れていきましょう。
イメージの方向
イメージは視点のみならず、意識する方向性もあります。
主に内向きか、外向きかです。

インターナルフォーカス
筋トレで言えば筋肉を意識する、スキル獲得で言えば自分の体に注目する方法です。
例えばジャンプするときに、股関節の屈曲を意識してお尻の力も最大限に使って跳ぶ、みたいなイメージです。
意識の方向性が内側に向きます。
対象部位の使い方や使用率が向上しますので、筋肥大にもオススメです。
エキスターナルフォーカス
自分の体ではない、外側に意識を向ける方法です。
何もない場所で垂直跳びをするよりも、天井から何かをぶら下げてそこを目標に跳ばせた方が、体の連動性が最適化されて高く跳べます。
体の使い方がそれにあった状態にしようと、オートメーションで最適化を図るようになります。
動作習得やスキル向上にはコチラの方がオススメです。
まとめ
イメトレは、とりあえずすればいいというものでもありません。
筋トレが上手くなりたいからといって、客観的イメージでイメトレを繰り返していても上手くはならないでしょう。
筋トレで特に有用になるのは、主観的イメージとインターナルフォーカスです。
ただしデッドリフトやクリーンなど複雑な動作の獲得にはエキスターナルフォーカスが向いていますし、コンテストや大会前のイメトレなら客観的イメージを活用しましょう。
意識は現実になる、らしいので。