ハーフスクワットorフルスクワット

スクワットのしゃがみの深さは、キツさを決める一つの大きなファクターとなります。
SNSにはスクワットが浅いといちいち指摘してくる、スクワット警察も出てくる始末です。
さて、よく陸上競技の現場では、ハーフスクワットで良いと言われていました。
では実際は、ハーフスクワットとフルスクワットでどちらを選ぶべきなのでしょうか?
ハーフスクワットの利点
- 比較的高重量が使用できる
- 腰にかかる最大トルクがフルより小さい
- 大腿四頭筋の発達にはあまり差がない
- 多くのスポーツ競技の活動レンジに近い位置
フルスクワットの利点
- 大臀筋・内転筋群を鍛えられる
- エンドレンジの出力が強化される
- 出来たかの判定が比較的分かりやすい
- しゃがみ込みの深い競技には有利
例えば陸上短距離であれば、股関節と膝の角度は90°程度までしか屈曲しません。
よってハーフスクワットの可動域で十分という判断がされがちなのですが、果たしてそうでしょうか?
短距離走で使用される重要な筋肉は、もも裏のハムストリングスとお尻の大臀筋です。
そして上記の通り、大臀筋はフルスクワットの方が効果的に鍛えられます。
またミドルレンジ(力発揮のポジション)での出力は、エンドレンジ(動作終了のポジション)での出力強化で伸びることも分かっています。
もちろん時期にもよるのですが、少なくとも試合から遠い鍛錬期ではフルスクワットの方に利があるかと思います。
ちなみにハムストリングスについては、スクワットでは鍛えられません。
野球のように、低い姿勢からの動作があったり、沈み込みのある競技であれば、もはやハーフスクワットをする意味もあまりなくなってきます。
膝への負担もフルスクワットの方が小さく済むので、特別狙いがなければ基本はフルスクワットを採用するで良いでしょう。